忘れてない?お風呂の健康常識 入浴効果

毎日のように湯船につかる習慣をもつ日本人。
実は世界の中でも毎日入浴する習慣があるのは我々日本人だけなのです。
入浴には私達のカラダを健康にする効果が多数。
入浴の効果と効用についてご紹介します。
入浴の7つの効果
温熱効果
湯船につかることで、カラダの表面→皮膚組織→血管・血液という順番で熱が伝わっていきます。
血液の温度があがり、全身に巡っていき、カラダ全体、深部体温も上昇。
血管も拡張され、酸素や栄養がカラダの隅々まで届くようになり、新陳代謝が活発になりカラダがリフレッシュ。
このことにより基礎代謝、免疫力、体力、交感神経、活動量があがり、更に持病リスク、ストレス、疲労度が下がります。
カラダが温まることで筋肉を柔らかくし、関節の痛みを軽減する効果も期待できます。
シャワーでは得ることができない効果です。
静水圧効果
湯船にカラダをつかることで全身に水圧がかかり、全身が内側に向かって押された状態になります。
この静水圧により血液循環がよくなり、脚などに鬱停した血液が巡るようになり、血液が心臓に戻る手助けとなり、むくみが解消されます。
また血管内脾細胞から一酸化窒素が放出、血液循環が促進され、全身の細胞に酸素や栄養素が届けられることになります。
浮力効果
湯船にカラダをつかることで体重は約10分の1の軽さに。
体重が軽くなることで筋肉や関節の負担も軽くなり、リラックスした状態となります。
清浄効果
洗体しなくても、湯船につかるだけで毛穴が開き、余分な皮脂や汚れを分解して外に流れ出す効果があります。
必要以上に石鹸をつけてカラダをこする必要はないのです。
むしろカラダをこすりすぎると皮膚の常在菌を減少、体臭の原因になったり、肌荒れの原因にもなったりします。
粘性・抵抗性効果
水の密度は空気の約800倍、粘性は約60倍。
水中でカラダを動かすことで普段の数番の負荷がかかることになり、ゆっくりとした運動やストレッチをすると陸上よりも大きな刺激を得ることができます。
蒸気香り効果
浴室内の湿って温まった空気を吸うことで鼻や喉の粘膜の乾燥を防ぎ、免疫力向上、自律神経調整になります。
繊毛運動などの免疫力があがり、症状を緩和させることにも。
好きなアロマオイルなどを浴槽に入れることで自律神経の調整がより活発化されます。
開放・密室効果
お風呂は真っ裸で入る非日常な時間。
心とカラダが開放的になる密室空間で時間を過ごすことで気持ちも開放されてリラックス効果が高まります。
銭湯などの公衆浴場や温泉などは裸のコミュニケーション空間となり、開放、密室空間での作用も期待できるのです。
疲労回復に効果的な入浴方法
お湯の温度は約40℃
40℃前後のお湯に10分ほどつかることで深部体温が1℃あがります。
体温が1℃上昇することで、基礎代謝、免疫力、体力、交換神経、活動量がアップし、疫病リスク、体重、体脂肪、ストレス、疲労度がダウンします。
42℃以上の熱すぎるお湯につかると、自律神経が交感神経優位モードとなり、カラダ全体が緊張状態となり、リラックスした状態で血液の流れが逆に悪くなります。
40℃前後のお湯に10分ほどつかることで血圧が下がり、脈拍がゆっくりとなる傾向があることという研究結果もあり、副交感神経が優位になっており、筋肉が緩み、リラックス状態を得ることができます。
肩までつかる全身浴
肩までつかることで温熱効果、静水圧効果、浮力効果、清浄効果、粘性・抵抗性効果が高まります。
入浴後はすぐにカラダを拭き、バスローブやブランケットにくるまり、体温を維持することが大切です。
入浴タイムは就寝1~2時間前
お風呂に入るのは寝る1時間から2時間前がベスト。
副交感神経を一度優位にして、体温が下がるタイミングで布団に入ると良い睡眠を得られることになります。
冷え性で布団に入ってからも手足が冷たいという人にとってもベストのタイミングです。
入浴剤を使用する
入浴剤にはカラダを温める温浴効果と、皮膚をキレイにする清浄効果があります。
入浴剤は大きくふたつ種類があり、ひとつは医薬部外品浴用剤。
医薬部外品浴用剤は肌の湿疹などの疾患、全身のコリ、腰痛、疲れなどを緩和する効果があります。
浴用化粧品は肌のキメを整える化粧品の効果が期待できます。
入浴時の事故を防ぐ方法
カラダにとっていいことだらけのような入浴ですが、ヒートショックなどによる入浴中の急死された方は1年間で19000人もいます。
大半は高齢者の方ですが、中高年の男性でも注意が必要です。
ヒートショックとは急激な温度変化によって血圧が急変動してカラダに及ぼす影響のこと。
暖かい部屋から寒い脱衣場で服を脱ぎ、熱いお風呂につかり、また寒い脱衣場で服を着る。
こうした行為が高齢者や高血圧症の方にとって、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの原因となるのです。
では、どのように防いだらいいでしょうか。
入浴時の死亡事故を防ぐ10項目
①脱衣所を暖めておく
②浴室はシャワーを出しておいたり、湯船をフタをあけておき、蒸気をたたせておく。
③お湯の温度は熱くしすぎない
④心臓に遠い部位から掛け湯をしてから入浴する
⑤長湯をしすぎない
⑥湯船で居眠りをしない
⑦湯船から立ち上がる時など、浴室内で急激な動きをしない
⑧心臓や呼吸器系に疾患がある場合は全身浴はしない
⑨食事の直後や飲酒後に入浴しない
⑩お風呂の前に水を飲む
まとめ
お風呂の効果と正しい入浴方法、気をつけるべきことをご紹介してきました。
毎日何も考えずに入っているお風呂には様々な効果があるんですね。
少し気にかけるだけでさらに効果を高められそうです。